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当事者視点が中心

テミルは「当事者視点」を最も大切にしています。当事者の生の声に耳を傾けることで、当事者の毎日の生活や考え、想いを知ることができます。そこには調査員が想像さえしなかった困りや、逆に工夫していること、生活する上での知恵があります。それらを1つ1つ聞いていきながら、当事者にとって使えるもの、使いやすいものを共につくっていく姿勢を大切にしたいと思っています。
このことは、近年求められている「ユーザー中心設計(UCD: User Centred Design)」というユーザーの立場に立った製品づくりと共通していて、これからますます必要になってくるものと考えます。

まずは「使えるもの」を

アクセシビリティ調査手法のページで述べましたが、テミルは「高齢者、障碍者にとって使いやすいものは、多くのユーザーにとっても使いやすい」という考えにも依拠しています。しかしながら、特に高齢者や障碍者に着目したときに、当事者各々のニーズに合わせた製品をつくるということは、行きつく先はオーダーメイドということになってしまいます。そうすると、ユニバーサルデザインとは、各々のオーダーに対して対応できる余地をいかに用意してあるかということになるでしょう。いかに多くのオプションがあるかということです。

しかし、現実は使いやすいものはおろか、使えないものも多いため、他の人に頼んでやってもらわなければならない場面も多数見られます。こういった現状を考え、テミルでは当事者の視点に立ったときに、たとえ「使いやすい(usability)」ものではなくとも、まずはすべての人が「使える(accessibility)」ものがたくさん世の中に普及することを目指して活動しています。

高齢者、各障碍種の特性と傾向

テミルでは、当事者視点で考えるときの第一歩として最も重要なのは、当事者の特性や傾向を知ることであると考えています。ここからは、高齢者や障碍者の特性・傾向の一部について言及します。

高齢者

すべての人間は加齢現象(体力、認知力、視力の低下)により、意欲の低下がみられるようになります。そのため、これまで出来ていたことがやりづらくなったり、やってきたことが億劫になってやらなくなったりということが起きてきます。特に新しいことを始めることに対しては、消極的になることが多く、細かい操作、複雑な操作を必要とするデジタル機器の使用を拒む高齢者もみられます。

しかし、検証の結果から、高齢者にとって使いやすい製品である(シンプルで操作が簡単、間違えても壊れない・前回の操作に戻れるという確信がある)、取扱説明書が簡単で分かりやすい、操作を教えてくれる人がいる等、トータルで高齢者に配慮された製品は使えるということが立証されています。さらに自分もできるという自信を持つと「他の機器も使ってみたい!」、「新しい機器を買いたい!」という意欲を向上させることにもつながるのです。加齢になるにつれ、様々な機能は低下しますが、特に意欲の低下は本人の気持ち次第でいくらでも防ぐことができます。

視覚障碍

■全盲

先天的、もしくは幼いころに視力を失った人が多いため、見えない状態がノーマルだと思っている人が多数です。他の感覚(聴覚、嗅覚、触覚など)が非常に鋭敏で、視覚を補って生活しています。活字を読むことによる情報入手が不可能であるため、音声読み上げなどの代替手段がないと情報弱者となります。また、自転車やハイブリッドカーなど静かな乗り物は、接近していることが分からず危険なときがあります。

■弱視

弱視と一言で言ってもその症状は様々であって、10人いれば10通りの見え方があります。視野が欠けている人、ぼやけて見える人、光が反射しているように見えて見づらい人など多種多様です。弱視者の多くが、ルーペ・拡大鏡を使用し活字によって情報を入手しており、人によって大きすぎる文字や小さい文字が読めずに情報弱者となります。すべての人が音声による情報入手を望んでいるわけではないので、活字対応と音声対応の両方が保障される必要があります。

また、安全面に関する困りもあります。コントラストの低い環境(例えば、段差があっても似たような色なので分からない、床の色と机・椅子の色が同じであるため家具があることが分からない)においては、転倒したり、ぶつかったりする可能性が高く危険です。

聴覚障碍

■聾唖・難聴

聴覚障碍者は情報弱者と言われています。耳が聞こえない、あるいは聞こえづらいために音声による情報を入手できない(しづらい)ということが起こります。家の中では、インターホンが鳴ったことが分からない、お湯が沸いていることが音で分からないという困りがあります。屋外では、車や自転車の音が聞こえずに危険、電車事故が起き車内放送が入っても聞こえない、誰かに呼ばれたり話しかけられたりしても聞こえないという困難があります。

また、他者と上手くコミュニケーションがはかれないという困りもあります。特に先天的な聾唖者は、「て」「に」「を」「は」などの助詞を使う習慣がないために、スムーズに会話をすることが難しいという場面もみられます。
聴覚障碍は外見からは分かりにくいことから「見えない障碍」と言われています。特に難聴者は話をする人もいるので、難聴であるということが分からずに不便さが生じるということもあります。

肢体不自由

障碍の程度によって身体が動く範囲は大きく異なります。杖があれば歩ける人、車椅子が必要な人、様々です。身体の動きが制限されるため、上下動やしゃがみ込むなどの激しい動作がしづらかったり、手足の麻痺によって指先の細かい作業、複雑な作業ができなかったりします。また、思うように力が入らないために重いもの、厚さのない薄いものは持てないという困難があります。車椅子を使用している場合は、車椅子が動けるスペースを確保しなければならないため、移動が制限される、高いところ低いところには手が届かないという制限もあります。

知的障碍

言葉や数、状況を理解する力などが相対的に低い状態であり、社会生活を送る上で何らかの支援が必要です。しかし、周囲の人の理解や支援が得られなければ、「問題のある人」としてしか捉えられず、とても生きづらい経験をすることがあります。

障碍の程度にもよりますが、ものごとを同時に行うことが苦手なので、やってもらいたいことを1つずつ順を追って説明していくと理解できます。また、視覚的に分かりやすく示すことは、理解を助けます。

すべての人にとって使いやすい

これまで、当事者視点(特に高齢者や障碍者)で考えることの重要性を述べてきました。冒頭にもありますが、これらの人々の視点を大切にすることは、決してその人たちだけでなく、全ての人々にとっての使いやすさにつながると考えていますし、実際そんな場面に出会うことが多々あります。